就労移行支援とハローワークの違いとは?連携方法やメリット

就労移行支援とハローワークの違いとは?

一般就労を叶えるための手段に就労移行支援とハローワークがありますが、その違いとは?と聞かれるとすぐには答えづらいのではないでしょうか。

そこで、今回は就労移行支援とハローワークの違いについてご紹介!

ハローワークを利用するメリット・デメリットや連携方法についてもご説明しますので、それぞれについて一緒に理解を深めていきましょう♪

この記事はこんな人におすすめ!

✔就労移行支援とハローワークの違いが知りたい人

✔連携して両方を利用する方法が知りたい人

✔詳しい連携方法が知りたい人

✔ハローワークのメリット・デメリットが知りたい人

目次

就労移行支援とハローワークの違いは?

就労移行支援とハローワークの大きな違いは、障がいや難病を持った方を対象としているか、または求職者なら健常者でも利用可能かといった対象となる人の違いでわかります。

就労移行支援は、障害や難病を抱える人のみを対象とした福祉サービスです。

一方のハローワークは障害や難病を抱えている人だけでなく、健常者も対象となっているので、求職者なら誰でも利用できるようになっています。

また、その他の違いは以下のとおりとなっています!

就労移行支援ハローワーク
年齢制限18~64歳まで制限無し
利用期間原則2年期限なし
求人情報就労支援員次第あり
利用者負担額世帯収入に
よって異なる
無料
職業訓練ありなし
就活支援ありあり
職業定着支援ありなし

また、ハローワークとは異なり、就労移行支援を利用する場合、世帯収入によっては利用料が発生することも!

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)9,300円
一般2上記以外37,200円

参照:厚生労働省「障害者の利用者負担

また、就労移行支援とハローワークは具体的にどう違うのか、それぞれどういったサービスなのかも見てみましょう!

就労移行支援とは?

就労移行支援とは、障害や難病を持った人を対象とした福祉サービスの一つです。

就労移行支援を実施している事業所では、主に一般就労に向けた訓練や、利用者の適性に合った求人情報などを選定して提供しています。

就労移行支援には原則2年という利用期間があり、その間にスキル向上やビジネスマナーなどが習得でき、利用するメリットは大きいです。

※利用者の状況によっては1年まで延長が可能で、就職先が決まった後の定着支援もしっかりしています!

就労移行に関する詳細なコラムもありますので、気になる方は↓↓を確認することをおすすめします♪

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ハローワークとは?

ハローワーク(公共職業安定所)は、仕事をお探しの方や求人事業主の方に対して、さまざまなサービスを無償で提供する、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関です。

引用:厚生労働省「ハローワーク」

ハローワークは、健常者はもちろんのこと、障害や難病を持った人も利用ができるため、求職中にハローワークを利用する人は多くいます。

求職中の人や求人事業主の人を対象にさまざまサービスを無償で提供しており、職業訓練校の紹介や雇用保険関連の手続きも行っています。

今ではあらゆる求人情報サイトが展開され、利用者は減少していますが、障がい者枠での採用やトライアル併用雇用を活用する場合などはハローワークを通す必要がある場合も。

そのため、ハローワークは求職者や求人事業主にはまだまだ欠かせない雇用サービスと言えるでしょう。

※就労移行支援のほかに、就労定着支援というサービスもあります。
サービス内容を間違えやすいので、どう異なるのか気になる方は✔

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ハローワークを利用するメリットとデメリット

ハローワークを利用するメリットとデメリットは以下の表のとおりとなっています!

メリットデメリット
・地元の求人が多く扱われている
・求人に関する相談対応も可能
・就職対策のサポートを行っている
・就職・転職への圧力が少ない
・自分から動くことが肝心
・開所時間に制限がある
・求人情報にアクセスしづらい
・求人情報だけでは企業が把握しづらい

ハローワーク(公共職業安定所)は、各都道府県に複数設けられているため、地元の求人が多く扱われていたり、就職対策のサポートを行ったりしています。

ですが、デメリットも存在しているので、人によっては最適とは言えないことも…

メリット・デメリット、それぞれを天秤にかけて就労移行支援などの他の手段を検討するのも一つの手段でしょう。

双方の詳細についてもご説明します。

さっそく、見てみましょう!

ハローワークを利用するメリット

ハローワークを利用するメリットは以下の4つとなっています!

  • 地元の求人が多く扱われている
  • 求人に関する相談対応も可能
  • 就職対策のサポートを行っている
  • 就職・転職への圧力が少ない

それぞれどのようにメリットがあるか、詳しく見てみましょう!

地元の求人が多く扱われている

ハローワーク(公共職業安定所)は、各都道府県に複数の拠点を設けているため、地元の求人が多く扱われています。

これは、厚生労働省が運営している雇用サービスならではの求人数の多さと言えるでしょう。

職種も幅広く扱われており、障がい者雇用の求人数も豊富なため、ハローワークを利用する最大のメリットとも言えます。

また、求人のみならず、地元の職業訓練校の開校情報も確認できるのもハローワークならではの特徴であり、求人や職業訓練校などを利用するならハローワークが最適です。

求人に関する相談対応も可能

ハローワークでは、求人や職業訓練校の受付・紹介だけでなく、求人そのものに関する相談対応も可能となっています。

例えば、以下のような相談も対応が可能です!

  • 求人先の雰囲気が掴めないから体験したい
  • 今と違う職種に就きたいけどスキルがない
  • 障がい者枠でトライアル併用雇用を活用できる職場に就きたい
  • 昨今の情勢を考えて、在宅勤務がしたい

などと言った相談にも随時対応しております。

上から順に、体験が可能かの確認を電話で取ったり、新たなスキル習得ができるよう職業訓練校を紹介したりしています。

場合によっては、トライアル併用雇用があるおすすめ求人を紹介したり、在宅勤務ができるおすすめ求人を紹介することも。

求人関係で幅広い相談内容に対応できるのも、ハローワークならではのメリットと言えるでしょう。

就職対策のサポートを行っている

ハローワークでは、就職対応のサポートを行っています。

例えば、求職者の書いた履歴書を確認して、修正点や改善点があればアドバイスしたり、面接対策の練習などの対策を一緒にしてくれることも。

他の求人サイトからの申し込みですと、そういった対策を実施していないので、こちらもハローワークならではのメリットと言えるでしょう。

就職・転職への圧力が少ない

ハローワークは、就職・転職への圧力が少ないので、ストレスやプレッシャーが掛かることがあまりないのもメリットとしては大きいです。

中には障害や難病の問題、自身の特性に苦しみながら就職・転職に取り組んでいる方もいます。

そういった方にとって、ガツガツと就職・転職を勧めてこられるのは精神的に追い詰められていくようなもの。

そんな苦しい状況を作らないようにしてくれるのも、ハローワークの良い点と言えるでしょう。

ハローワークを利用するデメリット

ハローワークを利用するデメリットは以下の4つです!

  • 自分から動くことが肝心
  • 開所時間に制限がある
  • 求人情報にアクセスしづらい
  • 求人情報だけでは企業が把握しづらい

場所が限られているだけに感じるデメリットや、時間に制限があるデメリットなど色々とあります。

それぞれの詳細についても一緒に見てみましょう!

自分から動くことが肝心

ハローワークは各都道府県に複数拠点を設けておりますが、それゆえに利用するには自分から動くことが肝心です。

そのため、車を所持していない人や近くにハローワークがない人にとっては、不便に感じることも。

また、スマホやパソコンで簡単に調べられるハローワークインターネットサービスもありますが、申し込みの際には結局ハローワークに行かなければなりません。

ご利用の際、わざわざハローワークまで出向かないといけないのは、人によっては大きなデメリットと言えるでしょう。

開所時間に制限がある

ハローワークの開所時間には制限があります。

原則として、開所は8:30で閉所は17:15となっており、利用できるのはその時間内だけです。

そのため、現在就職中で転職したいと考えている人や、家事などで忙しい中で仕事先を探している人にとっては通いづらいと感じることも。

利用したいのに時間の都合があるせいで利用できないのは、人によっては大きなデメリットに感じるでしょう。

求人情報にアクセスしづらい

ハローワークには、Web上で求人情報が確認できる「ハローワークインターネットサービス」というサービスがあります。

こちらは、そのまま打ち込んで検索すれば一番目に出てくるようになっていますが、異なるワードや打ち間違いをしてしまうと一番目に出ないことが多いです。

他の求人情報サイトが多く出回っていることが原因として考えられますが、すぐにアクセスできないのはデメリットと言えるでしょう。

求人情報だけでは企業が把握しづらい

ハローワークで扱っている求人情報には、画像が載っていないものが多く、求人を行っている企業の雰囲気が把握しづらいというデメリットもあります。

百聞は一見に如かずということわざもありますが、画像付きの求人を多く扱っている他の求人情報サイトと比べると、見劣りしている感は否めません。

ハローワークなら自宅でも利用できる

先に少しだけご紹介しましたが、ハローワークでは「ハローワークインターネットサービス」というWeb上でも求人情報が確認できるサービスが提供されています。

インターネットで【ハローワークインターネットサービス】と検索すると、一番最初に公式ページが表示されているので、その中の「求人情報検索」をクリック!

※下記画像赤枠内

すると、下記の画像のページに飛ぶので、既に求職者登録している方は、求職者番号を入力します。

次に基本検索条件として、年齢や雇用形態、就業場所や職種などの各情報を入力すると、それらの条件に合った求人が確認できるようになります!

注意点が一つあるとしたら、求人の確認はできるけど申し込みはハローワークで直接行わなければなりません。

なので、ハローワークインターネットサービスの活用例としては、定期的にWeb上で確認するようにして、気になる求人を見つけたら直接ハローワークで申し込む!

そういった形で利用するように決めておくと効率的には良いのでは?と思われます。

ただし、ハローワークインターネットサービスには載っていないけど、ハローワークに直接行ったら紹介される求人も中にはあります。

良い求人と出会いたいのでしたら、定期的にハローワークに通って確認するのも手段の一つと言えるでしょう。

就労移行支援とハローワークを連携するメリット

就労移行とハローワークを連携することは可能であり、連携することでメリットも得られます!

主なメリットとしては以下のとおりです。

  • 福祉サービスを受けながら多くの求人と出会える
  • 就職活動支援がいずれかだけの時より多く受けられる
  • 障がい者枠での一般就労に対しても支援を多く受けられる

それぞれのメリットの詳細も見てみましょう!

福祉サービスを受けながら多くの求人と出会える

就労移行支援を受けるメリットは、福祉サービスを受けながら就職活動ができるところです。

しかし、就労移行支援で扱っている求人には限りがあり、もっと多くの求人を確認したい場合は、自分で探す他ありません。

そんな時、ハローワークと連携することでより多くの求人と出会えるようになります。

就労移行支援における、就労支援員の仕事は利用者の適性に合った求人を提供すること。

そのため、適性に合わないと思ったら省いてしまうこともあるので、もっと多くの求人を確認したい場合はハローワークとの連携も視野に入れましょう!

就職活動支援がいずれかだけの時より多く受けられる

就労移行支援でも就職活動支援は行っていますが、ハローワークの方が履歴書を多く確認する機会があります。

また、面接練習のサポート体制なども整っていることが多いため、就職活動で不安がある場合はハローワークと連携を取ってみるのも手段としてはアリです。

元面接官が就労支援員をしている就労移行施設もありますが、すべての就労移行支援事業所がそうであるとは限りません。

そのため、「より実践的な面接がしたい!」という場合や「アドバイスが多く欲しい!」という場合はハローワークとも連携してみましょう!

障がい者枠での一般就労に対しても支援を多く受けられることも

利用者次第では「一般企業の求人に障がい者枠で申し込みしたい」という方もいますよね。

その場合、ハローワークと連携しておけばそういった求人の情報も提供してくれます。

就労移行支援としても利用者の一般就労は喜ばしいことですし、ハローワークとしても利用者の一般就労は応援したいところです。

そのため、そういった要望をあらかじめ相談して連携するようにしておくとスムーズな一般就労が叶うこともあるでしょう。

就労移行支援とハローワークを連携する方法は?

就労移行支援とハローワークを連携する方法は以下の3パターンとなっています。

  • 求職登録
  • 職業相談
  • 面接同行

それぞれどういった風に連携していくのか早速、見てみましょう!

求職登録

基本的な事としては、就労移行支援の事業所職員に相談します。

すると、事業所職員がハローワークに同行し、ハローワークへの情報提供や求職登録の支援が行えます。

その際、履歴書や障がい者手帳のコピー、就労移行支援事業所で行ったアセスメントの情報などを持参しておくと、スムーズに登録が行えます。

職業相談

職員と一緒にハローワーク訪問を定期的に行います。

その際、求人情報の確認を行ったり、ハローワークの担当者に相談することで、おすすめの求人を紹介してもらうことも可能です。

また、希望する求人が見つかった場合は、面接練習に付き合ってもらえたり、履歴書の書き方を教えてもらうこともできます。

面接同行

求人への申し込みが終わり、いざ面接となった場合、事業所の職員による面接同行が可能な場合もあります。

面接日時の決定はハローワーク担当者が企業とやり取りして行います。

その際、担当者に事業所の職員も面接に同行する旨を伝えておくことで、面接同行が可能となることも。

面接時は、ハローワークの担当者にも同行してもらう場合もあり、その際に助成金についての情報提供することで、企業からの信頼アップや採用率にもつながります。

就労移行支援とハローワークの違いまとめ

今回は、就労移行支援とハローワークの違いや連携方法などをご紹介しました!

双方の大きな違いや2つを連携するメリット・デメリットなどをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

連携することで採用率アップの可能性があったり、より利用者に合った求人とマッチしてもらえるので、メリットは大きいと思われます。

障がい者雇用の助成金に関する知識が乏しい企業は、今でも多くあるため、助成金に詳しいハローワーク担当者に面接同行してもらうのも効果的でしょう。

というわけで、今回はここまで!

最後までお読みいただきありがとうございます(^^♪

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