「トライアル雇用と就労移行支援は併用できる?」と疑問に思っている方も中にはいます。
また、トライアル雇用とは?と疑問に思っている方もいるかと思われます。
そこで、今回はトライアル雇用と就労移行は併用できるかについてや、トライアル雇用の種類、メリットデメリットなどをご紹介します!
- トライアル雇用と就労移行支援は併用できるか知りたい人
- トライアル雇用の種類を知りたい人
- トライアル雇用のメリットを知りたい人
- トライアル雇用のデメリットを知りたい人
- トライアル雇用の助成金について知りたい人
- トライアル雇用を活用して助成金を受け取るまでの流れが知りたい人
- 全企業がトライアル雇用をおこなってるわけではない事について知りたい人
- 障害者の雇用義務がある企業について知りたい人
トライアル雇用と就労移行支援は併用できる?
結論から言うと、トライアル雇用と就労移行支援は併用できる?できます。
就労移行支援とは、一般就労を目指している障がい者が、就労移行支援事業所で職業訓練や一般企業への定着支援を受けられる福祉サービスです。
就労移行支援とトライアル雇用はいずれも障害者向けの支援制度です。そのため、条件面で重なっていたとしても同時利用できます。
ですが、トライアル雇用や関連する助成金の加算の取り扱いが複雑で、併用出来ていない事業者も多いのが現状と言えるでしょう。
トライアル雇用は2種類
まず「トライアル雇用」とは、からご説明いたします。
トライアル雇用には以下の2つのパターンがあります。
- 併用求人:トライアル雇用併用求人とは、企業が募集する求人のうち、トライアル雇用をする場合もあれば、トライアル雇用をせずに正規社員などとして採用する場合もある求人のことです。
- 専用求人:トライアル専用求人とは、トライアル雇用しか応募できない雇用形態のことです。
それぞれの特徴や違いについては以下の表のとおりです!
併用求人 | 専用求人 | |
---|---|---|
特徴 | 求職者がトライアル雇用求人か 一般の求人かを選択して応募できる | トライアル雇用しか応募できない |
対象者 | 身体・精神に障害を持つ人 ※①その他対象者アリ | 身体・精神に障害を持つ人 ※①その他対象者アリ |
備考 | 障害手帳は必須ではない | 障害手帳は必須ではない |
※①その他対象者は以下のとおりです。
- 45歳未満の若年層の方
- 45歳以上の中高年の方
- 母子家庭の母・父子家庭の父
- 季節労働者
- 中国残留邦人等永住帰国者
- 日雇労働者
- ホームレスの方
- 障がい者
以上の方が条件となっています。
また、トライアル雇用が出来る対象者は、上記の内容に加え、以下の条件に当てはまる方で、なおかつ週20時間以上の勤務が可能なことが必須です。
- 紹介日時点で未経験の職業に就くことを希望している
- 紹介日前日時点で過去2年以内に2回以上転職・離職を繰り返している
- 紹介日前日時点で直近の離職期間が6か月以上である
- 重度の身体障害者・知的障害または精神障害を有する
※4.に当てはまる場合は、1.〜3.の条件を満たさなくとも対象者となります。
※また対象者は障害者手帳の所持が絶対的な必須項目ではありません。
※参照元:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page06_00002.html
障害者短時間トライアルコース
障がい者短時間トライアルコースとは、労働形態を継続雇用することを主な目的とし対象者を一定の期間を定めて雇用する形態のことです。
形態としては、雇い入れ時、週の所定労働時間を10時間以上20時間未満と定め、対象者の職場適応能力状況や体調面に応じて、トライアル期間中にこれを20時間以上とすることを目指すことを障がい者短時間トライアルコースと呼びます。
対象となる利用者はどんな人?
対象となる利用者はどんな人?
- 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望している
- 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
- 紹介日の前日時点で、離職している期間が6か月を超えている
- 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者
何らかの障がいを持ちなおかつ勤労意欲のある方が対象者と言えます。
具体的に対象となる利用者はどんな人かと申しますと。
このトライアルコースにおける助成金は、支給対象者1人につき月額最大4万円(最長12ヶ月間)支給されます。
対象者は
- 継続雇用を労働者として前提としては希望している者
- 障害者短時間トライアル雇用を希望している精神障害者または発達障害者
※参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html
以上が主な対象者となります。
この際雇い入れ条件としては
- 民間の職業紹介事業者の紹介かハローワークによる紹介とすること
これがトライアルコースを受けれる対象者となります。
トライアル期間
トライアル期間としては3ヶ月から12ヶ月間の短時間トライアル雇用をすることです。
障害者トライアルコース
障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコースの違いは、障害者トライアルコースの場合は給与により分けられます。
障害者トライアルコースの場合は支給対象期間中の各月の月額合計額がまとめて1回で支給されます。
それに対して障害者短時間トライアルコースの場合は、支給対象期間中の最初の6ヶ月間の各月の月給の合計額と、その後の各月の合計額の2回に分けて支給されます。
「障害者トライアル雇用」は障害を持つものを原則3ヶ月間試行雇用することを言い、その期間において適性や能力を見極め、継続雇用のきっかけとすることを目的とした制度です。
対象となる利用者はどんな人
対象となる利用者はどんな人なのかを下記に表記しております
- 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望している
- 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
- 紹介日の前日時点で、離職している期間が6か月を超えている
- 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者
※これは前述したものと同様です。
障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコースの対象者となる方は同様な条件になります。
※参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html
トライアル期間
トライアル期間は原則3ヶ月間です。
この3ヶ月使い試行雇用することで、適性やその人の能力などを見極め、継続雇用に導くことを目的とした制度であり期間です。
トライアル雇用のメリット
トライアル雇用のメリットについてお話します。
多くの人が新しい環境に入っていくのには少なからず不安とプレシャーを受けてしまうものです。
特に障害をお持ちの方には一般のかたよりもさらにハードルは高いと言えます。
そこで活用したいのが障害者トライアル雇用制度です、これらを活用するメリットは下記のとおりです。
- まず挙げられるのはトライアル中にミスマッチが発覚した場合、契約満了後の解除が容易である点
- 求職者と受け入れ先企業との相性などがわかり、受け入れて頂ける支援措置の有無が確認できる点
- 継続雇用前にある程度の相性やマッチしない点を確認できるので継続雇用後の早期離職を防げる。
- 就労前に求職者の不安などが解消でき、採用率の向上が見込まれる
- 助成金を活用できるため、大幅な人件費の削減も視野に入れられる
などメリットは多く、求職者側も継続雇用前に最低限必要な措置を整備して頂けるため、安心して安定した業務に臨めるというのも大きなメリットです。
※参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html
書類選考がなく無条件で面接が受けられる
トライアル雇用の場合、書類選考がなく無条件で面接が受けられる。
履歴書を書くのが苦手な人や履歴書記載の事実に自信のない方でも、変に気負わずに挑戦することが出来ます。
期間中に自分にあった仕事や職場環境か分かる
期間中に自分にあった仕事や職場環境か分かるのも大きな特徴と言えます
障害者雇用を行う企業側が、求職者を本採用を本来の目的として一定期間試してみるという制度が、障害者雇用制度と呼ばれているものです。
原則3ヶ月から半年間、職場を体験して働けるのでお試しで働くことにより職場環境や通勤など自身に合うかを見極められます。
合わなければ次の職場を探せばよい事ですし、合えば安定した永年勤続も可能になるのがトライアル制度の良い点です。
何よりも実体験としてその職場を体験できるのは書類や面接だけでは分からなかったことも見えてきますし、自身に合うか合わないかの基準を明確にするには良い制度です。
企業側のサポートや希望の配慮などすり合わせができる
トライアルという以上、日本語に訳せばお試しとでもいいますが、色々と経験や体験を通じてお互いに理解を深め信頼関係を持つ場でもあります。実際トライアルを始めてみれば何か違うとか、これは良いと思えることが多くあるはずです。
そういう時には企業側のサポートや希望の配慮などすり合わせができることもメリットと言えます。
それらを担当者などを通じて企業側に希望を伝えられるのも、トライアルであるからこそできることではないでしょうか?
思い悩むことよりも解決の方法を見つけていくのも、障害を持つものだからこそ気付ける点もあるのではないでしょうか?
求人側も求職側もよりよい環境を求めていることには違いはありません、企業側のサポートと理解が得られれば素晴らしい環境で求職出来ることと思いますので、トライアル雇用のうちに自分の意見を企業がに伝えることが重要です。
トライアル雇用のデメリット
メリットもあればデメリットも存在します、トライアル雇用のデメリットの例としては
- 雇用者側としては、教育・育成担当を整備しなければなりません、これは人的リソースが割かれるという事になります。
- 助成金を受給するにはある意味膨大な書類の作成やスケジュール管理にも手間がかかるという点です。
前述いたしましたがトライアル制度は、雇用対象者の要件の一つに「就労経験のない職業に就くことを希望している者」となっておりトライアル雇用制度は一般求人よりも、育成や教育にかかるコストや人的リソースは多いのが通常です。
継続採用は100%ではない
もちろんの話ですが、継続採用は100%ではない事は現実としてありうる話です。
トライアル雇用で勤めた会社に永年雇用を望んだとしても100%その希望が叶うとは限りません。これは障害者雇用に限らず一般企業でもありうることです。
自身が希望した企業であろうとも100%という数字はあり得ないのが現実です。
万が一そうなったとしてもそこで諦めてしまえば何の意味も持たない事になってしまいます。
失敗を糧に次に向かってチャレンジしてこそ道は開けるものなのではないでしょうか?
なぜ求職出来なかったという事を考えつつも、次に向かってのステップを止めないことが就職というものに繋がってゆく方法なのですから。
最短3ヶ月の雇用期間中は就職活動ができない
最短3ヶ月の雇用期間中は就職活動ができない事も理解しておくべきことです。
トライアル雇用は通常の求職とは違い、ある企業に対して行うものであるため複数の求人案件に応募することは出来ません。
したがってトライアル雇用を実施いている間は他の求人に応募したり転職することは出来ません。
したがってトライアル雇用に応募する場合には、慎重に進めなければかえって時間の無駄という事も発生する事態にもななりますのでご注意ください。
繰り返しになりますがトライアル雇用から常用雇用への移行は、100%ではない事もあることを知っておくことも大事なことです。
そしてこの場合不採用となれば、3ヶ月の雇用後解雇という事になりますので、その後の就職活動にマイナスとなる評価が付くこともあり、これはトライアル雇用のデメリットと言ってもよい事案です。
トライアル雇用の助成金について
トライアル雇用の助成金については、事前に求人する企業がハローワークや職業紹介事業所などに、事前にトライアル雇用求人を提出しこれらより紹介を受けた対象労働者を原則3ヶ月間の有期雇用で雇い入れ、一定の要件を満たした場合のみ1ヶ月あたり最大4万円をの受けることが出来るのがトライアル雇用助成金です。
トライアル雇用を活用して助成金を受け取るまでの流れ
トライアル雇用を活用して助成金を受け取るまでの流れは以下のとおりです
- トライアル雇用制度を活用し求人を行う事
- トライアル雇用実施計画書・必要書類の提出
- トライアル雇用の開始
- トライアル雇用終了後、助成金支給申請書・必要書類の作成後申請
以上のような流れでトライアル雇用助成金が支給されます。
全企業がトライアル雇用をおこなってるわけではない
全企業がトライアル雇用をおこなってるわけではない事もご承知ください。
トライアル雇用はけっして各企業に課せられた義務ではないため、すべての企業で行われているわけではありません。
一定以上の従業員を抱えている企業は、障害者を雇用する義務がありますが、かといってトライアル雇用を実施しなければならない法的な拘束力はございません。
したがって求職者は勤めてみたい企業があっても、必ずトライアル雇用されるという保証がないのが現状です。
障害者の雇用義務がある企業とは
障害者の雇用義務がある企業とは決まっています。
わが国では「障害者の雇用の促進等に関する法律」通称(障害者雇用促進法)という法律が制定されております。
障害者の雇用義務がある企業とは、民間企業の法定雇用率は2.5%です。
従業員を40人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければなりません。
これは法的な義務です。
この法律では企業に対して以下の内容が義務化されています。
- 障害者の雇用
全従業員に対して一定以上の割合で障害者を雇用すること。 - 差別禁止と合理的配慮の提供
障害を理由に不当な差別をせず、社会的障壁をなくすために個別の対応や支援を行う事 - 障害者雇用に関する届け出
障害者の雇用状況を毎年ハローワークへ報告すること(※従業員数43.5名以上の場合のみ)
障害者を解雇しようとする場合はハローワークへ届け出すること - 障害者職業生活指導員の選任
相談員を選任し、相談・指導を行わせること(※障害者5名以上のみ)
※参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html
企業は上記の義務を達成できない場合様々な罰則が発生するリスクを負うことになります。
以上がトライアル雇用等、障害者の一般企業への移行の仕方の一例です、ご参考になさって下さい
トライアル雇用と就労移行支援は併用できる?まとめ
トライアル雇用と就労移行支援は併用できるのかと問われますと出来ます。
理由は最初に記した通り、就労移行支援とトライアル雇用はいずれも障害者向けの支援制度です。
そのため、条件面で重なっていたとしても同時利用ができるのです。
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