就労移行支援を利用して就職できる人がいれば、就職できない人もいらっしゃいます。
また、就労移行支援を利用しても就職できない人には特徴や失敗する理由が必ずあるものです。
それを探って解決できれば、希望する職に就くこともできるでしょう。
今回は、就労移行支援を利用しても就職できる人できない人の特徴と、失敗しないための5つのポイントについてご紹介します。
✔就労移行支援を利用しても就職できなくて悩んでいる人
✔就労移行支援を利用しても就職できない理由が知りたい人
✔どんな人就労移行支援を利用して就職できるのか知りたい人
✔どんな人材を企業側が求めているのか知りたい人
✔とにかく一歩踏み出したい人
就労支援や就労移行支援について
就労移行支援を利用しても就できる人と就職できない人の特徴を確認する前に、まずは就労支援についてご紹介します。
【就労支援】は、一般就労するために必要となる職業的な訓練に加え、実際に職場実習やマナー講座を行い就職活動などをサポートし一般就労につなげるサービスのことです。
就労支援には、【就労移行支援】と【就労継続支援】があります。
それぞれ――
- 就労移行支援:訓練や職場体験などで働くために必要な就労スキルを学ぶための支援
- 就労継続支援:実際に働く場所を提供しながら一般就労に結び付ける支援
主な違いは以下の通り!
項目 | 就労継続支援 | 就労移行支援 |
一般就労への支援 | あり | あり |
工賃や給料 | あり | ないところが多い |
すぐ一般就労できる? | その人の頑張り次第だが、すぐに結びつくとは言えない | 就労継続支援よりは短期間でできる場合が多い |
利用可能期間 | 制限なし(※受給者証の支給決定期間内) | 原則2年 |
年齢制限 | A型:18~65歳未満(※65歳以上特例有)B型:制限なし | 18~64歳まで |
その他 | 障がい・難病を抱えている方が対象 | 精神障害者だけ対象としている事業所も中にはある |
備考 | 工賃・給料をもらいつつ一般就労の訓練がしたい方におすすめ | より早く就労したい方におすすめ |
就労移行支援に関するさらに詳しい説明は↓↓リンク↓↓をご覧ください。

就労移行支援を利用して職できる人もいる一方、できない人もいらっしゃいます。
そこで、その特徴について詳しく見てみましょう。
就労移行支援を利用して就職できる人とできない人の違い

就労移行支援を利用して就職できる人、就職できない人の特徴について、大きく3つのポイントに分けられます。
- 自分自身を把握出来ているか否か
- 周囲とのコミュニケーション
- 仕事のスキルや会社の待遇面
それぞれ検証してみましょう。
自分自身を把握出来ているか否か

まず最初に個人的なこと、つまり自分自身を把握することから見てみましょう。
就労移行支援を利用しても就職できない人の特徴として、自分自身を把握することができていない場合、以下のような面が見られます。
- 本気で就職したいと思っていない(内発的動機)
- 自分自身をコントロールすることが難しい(自己管理)
- 安定した通所ができず事業者への通所実績が足りない(事業所での活動)
- 就職活動に向けての行動が足りない(準備・用意)
本気で就職したいと思っていない(内発的動機)
まず最初に考えられるポイントとして、積極的な姿勢の違いがあります。
就職できる人は、自分から積極的に動く傾向があります。
そんな人には、周囲の人もアドバイスを送りたくなるものです。
逆に就労移行支援を利用しても就職できない人の場合は、一見やる気が感じられないと周りに受け止められてしまうことも。
また、就労移行支援を利用して就職できる人との違いが大きくでるのも、やる気が感じられるかそうでないかという点でしょう。
- 過去に失敗したことを引きずっている
- 仕事自体に誇りや興味を感じられない
- 家族など周りから色々と言われてストレスを感じる
その原因を探ると、周囲の影響が大きいケースも少なくありません。
言葉にできないモヤモヤを抱えたままでは、新たな一歩を踏み出すのが難しくなります。
その一歩先に踏み出すため、まずは「自分の内面」「過去に起きたネガティブな出来事」「周囲との問題」を振り返り、それから相談員さんと話してみましょう。
その際、前向きに頑張るためにも、最初は「仕事の面白さ」について話し合ってみてはいかがでしょうか。
ポジティブな話で前向きになることは、今後希望する就職に向けての基盤になります。
自分自身をコントロールすることが難しい(自己管理)
就労移行を利用しても就職できない人の特徴として、自分自身をコントロールすることが難しいという人もいます。

『これを早くやらないと』

『これはやったらダメだよね』

『分かっているのに・・・』
頭で分かっていても「自分に不利な行動」をとることはないですか?
中には、過去に怒りに任せて気が付いたら・・・という経験をした方もいらっしゃるのでは?
人は『思わずやってしまった』と、衝動的に行動してしまうこともあります。
しかし、自分自身のコントロールは、周囲の人たちと仕事をする上で、とても重要です。
就職できる人の場合は、それがうまくいっている訳ですが、一人で動かずに周りの人たちを頼っていることも多いです。
なので、就労移行支援を利用して就職するためには、セルフコントロールができることも欠かせません。
そして、セルフコントロールは、就職した後でも安定して働くための重要なカギです。
そのためにも、周りの人、特に相談員さんや事業所のスタッフに頼ってみるのも良いでしょう。
まずは相談を。
安定した通所ができず事業者への通所実績が足りない(事業所での活動)
就労移行支援事業所では、多くの方が就職に向けて毎日頑張っています。
業務やマナーを身につければ、就職後も安定して働けることにつながります。
就労移行支援を利用して就職できる人は、出勤日には毎日事業所へ通って頑張っている人がほとんどです。
一方、事業所通所実績が足りず、就労移行支援を利用しても就職できない場合もございます。
そのような場合「就職後に安定して働けない」とみなされがちです。
- 業務が自分の特性に合ってない
- 事業所の人たちとの人間関係
- 事業所が自宅から通いづらい場所にある
自分の特性に合わない業務は、中々スキルの習得や成長がむずかしい。
そこで生じた苦手意識から、事業所から足が遠のくケースがあります。
事業所の人たちとの関係が上手く行かない場合もそうですね。
また事業所へ通う場合では、距離が遠かったり、公共交通が不便な場所だと、体力的に厳しくなります。
通所実績の目安としては週に4、5日程度、せめて8割程度はないと、なかなか就職にはつながりません。
悩みや不安を一人で抱え込まずに、事業所のスタッフに相談して解決の道を探ることが重要です。
それでもむずかしい場合は、相談員さんに話をして、自分に合った他の事業所を探す手段もあります。4就職活動に向けての行動が足りない(準備・用意)
就職活動に向けての行動が足りない(準備・用意)
就労移行支援を利用しても就職できない人の原因として「就職活動などの行動不足」もあげられます。
実際に就職するためには、さまざまなことが必要です。
ハローワークに行って求人を探してみたり、知り合いに頼ることもあるでしょう。
就労移行支援を利用して就職できる人の場合、ただチャンスを待つだけでなく、アンテナを張って自分から周囲に働きかけていることが多いです。
就労活動に向けての行動=準備です。
準備を予め行っているか行っていないかも、就労移行支援を利用して就職できる人と就職できない人の違いと言えるでしょう。
最初の準備として、履歴書を書いていれば、すぐ面接につながりやすくなります。
チャンスを逃さないためにも、まだの人はお早めに。
どれだけ意気込みがあっても、必要な準備を整えなければ就職にはつながりにくいでしょう。
周囲とのコミュニケーション

就労移行支援を利用して就職できる人と就職できない人の違いとして、周囲とのコミュニケーションが取れているかそうでないかも挙げられます。
仕事でも、生きていく上でも、他人とのかかわりは欠かせないものです。
そのポイントとしては以下のとおりです。
- 人とやり取りすることが難しい(周囲との関わり方)
- 自身の障害特性や必要な配慮を伝えきれない(自分確認と「報連相」)
こちらも詳しく見てみましょう。
人とやり取りすることが難しい(周囲との関わり方の”スキル”)
就労移行支援を利用しても就職できない人の特徴として、人とコミュニケーションを取るのが難しい場合もあります。
「十人十色」という言葉がありますが、全く同じ考えの人はいませんよね。
気の合う人もいれば、当然、合わない人もいるのは仕方がないことです。
逆に、就労移行支援を利用して就職できる人は「口八丁手八丁」という言葉のごとく、手=仕事だけでなく、口=周りともうまく付き合っている場合が多いです。
つまり、これは「スキル」です!
意識して訓練すれば、仕事だけでなく日常生活でも役に立ちますので、おぼえて損はありません。
むずかしい場面に遭遇しても、周囲と積極的にコミュニケーションをとる人には、おのずと助け舟も出しやすくなります。
就労移行支援を利用して就職できる人と就職できない人の違いで、コミュニケーションスキルが関係するのは以下の3ポイント!
- 仕事の報連相(報告・連絡・相談)
- 社外の人とのやり取り
- 職場内の風通しを良くする
就職に向けて、そして就職後でも、周囲と上手に付き合えるメリットは、ことのほか大きいです。
しかし「周りとどう接して良いか分からない」という問題を抱える場合もあります。
そして「なるべく人との関わりを持とうとしない人」もいらっしゃいます。
一つ頭に入れておいた方が良いのが、就労移行支援を利用して就職できる人は「相手の事情を頭に入れて話をする」のが上手です。
でも、余計な対立をさけるために無理して周りに合わせ過ぎると、かなりのストレスを抱えることも。
周囲と上手く付き合えないと感じた時は、上手く付き合う方法を探ることになります。
これも、相談員さんや、事業所のスタッフさんに相談を。
話し方のトレーニングや、ロールプレイでトークスキルを上げる方法も有効です。
ぜひトライしてみてください。
自身の障害特性や必要な配慮を伝えきれない(自分確認と「報連相」)
就労移行支援を利用して就職できる人は、自身の障害特性や必要な配慮を、きちんと周囲に知らせています。
必要な配慮を伝えることで、周囲の人とも、よりスムーズに仕事を進めやすくなります。
一つ前にご説明した【コミュニケーションをとることが難しい】と似た内容ですが『自分の障がい・病気のために、周りに配慮を求めて迷惑をかけてしまう』と心配してませんか?
そのような過度な遠慮が、就労移行支援を利用しても就職できない原因になっているケースもあります。
それは、何事においてもブレーキにしかなりません。
ぜひとも必要な配慮は周囲に伝えてください。
もう一つ考えられるのは、そもそも自分自身のことを把握していないケースです。
- 病院の検査結果に全く無関心
- 自分の抱えている病気や障がいを、すぐに答えられない
- 服用している薬が、どんなものか分かっていない
自分自身のことを分かっていないと、相手にも必要なことを伝えられません。
会社側も、どんな配慮が必要なのか分からず困ってしまいます。
仕事をする上で重要な【報告・連絡・相談(通称:ほうれんそう)】ができない」と判断されかねません。
自分自身のことを見つめなおすのは、意外と抵抗があるものです。
しかし、今後のために、事業所のスタッフさんや相談員さんの協力を得て【自分の情報を再確認】してみてはいかがでしょうか。
仕事のスキルや待遇面

準備万端、いざ安定して働こうと就職活動を行っても、中々うまくいかないことがあります。
就職には、自分と会社と条件面で合意することが求められます。
- 業務に必要なスキルが身に付いてない(スキルの習得やマッチング)
- 就職先に多くの待遇や条件を求めている(条件の合意)
その内容を、もう少し詳しく見てみましょう。
業務に必要なスキルが身に付いてない(スキルの習得やマッチング)
就労移行支援を利用しても就職できない人の特徴には、業務に必要なスキルが身に付いてないということも。

『あの会社で働きたい!』

『こんな職に就きたい!』

『将来のためにキャリアを積みたい!』
そう思ったところで、ある程度は業務に関する知識や流れを知っていないと、就職は厳しいです。
何も知らない状態だと、企業側が一から教えなくてはいけないため、時間もコストもかかります。
「就労移行支援を利用して就職できる人=会社側が求める業務スキルがある人」です。
雇用する企業側からしても、できるだけ業務の知識やスキルは高ければ高いほど良いでしょう。
また、「業務に必要なスキル」というのは、広い意味で以下のようなものがあります。
- 挨拶やマナーなど、社会人として一般常識的なもの
- 会社や社員とのやり取りに必要なZOOMやLINEなどの、コミュニケーションツールの使い方
- 実際に業務を行うために必要な仕事の知識や技能
特に①に関しては、身に着けていないと、どんなに仕事ができたとしても、会社の内外で問題になってしまいます。
また、最近では【リスキリング(Reskilling)】という言葉も聞かれるようになってきました。
これは業務に関する専門的な知識や技能を学びなおす、再習得することを意味します。
これも社会の変化に対応するための「業務スキル」です。
それは、就職後も安定して働けることにつながるでしょう。
就職先に多くの待遇や条件を求めている(条件の合意)
先述の通り、就職には、自分と会社と条件面で合意することが求められます。
就労移行支援を利用して就職できる人=会社側と条件面で合意できた人です。
就職できない人は、会社側に多くの待遇や条件を求めている場合があります。
- 賃金やボーナスなどの給与面
- 有給や秋・年末年始などの休暇制度
- 勤務時間やフレックスタイム制、リモートワークなどの勤務体制
- 家賃や資格、交通費などの福利厚生
『一刻も早く収入が欲しい!』という状況なら、お金と時間のことも考えなければいけません。
自分が望む待遇や条件を、多少妥協や譲歩をすることがほとんどです。
その時は「キャリアアップ」や「待遇や条件の改善」を意識してください。
上手くいかない場合は、就職先に多くの待遇や条件を求めていることもあるので、見直す必要があります。
また、別の会社を探すこともあるでしょう。
就労移行支援を利用して就職できる人の特徴は?

就労移行支援を利用して就職できる人の特徴を、その流れの中で求められる特徴はご覧の通りです。
- 自己理解と管理ができている:自分のできる事、ハンディなどの特性を理解しています
- 実現可能な目標の設定がある:多くを求めず、できる限り可能な目標を設定します
- 周囲とのコミュニケーションがスムーズ:他者との協力や、サポートを受け入れられる姿勢が備わっています
- 業務スキルの修得:希望する会社で求められる業務スキルを身につけています
- 選考対策ができている:希望する業種、会社への就職活動対策を行っています
それぞれの特徴について細かく確認してみましょう。
就労移行支援を利用して就職できる人は、自己理解と管理ができている
就労移行支援を利用して就職できる人は、自分のことを理解しています。
自分が抱えている病気や障害、できる事、そして何を求めているのか?
それらがしっかり確認できている人は、就職後も安定して働けますし、周囲のサポートも受けやすくなります。
そして、生活リズムや体調、金銭などの管理もできていないと、就職できても遅刻や欠勤が増えたり、能力を発揮するのも、むずかしいでしょう
自己理解と管理は、就職のみならず、将来へ向けて必要不可欠なものです。
就労移行支援を利用して就職できる人は実現可能な目標設定がある
就労移行支援を利用して就職できる人の特徴は、就職後の目標が明確なことです。
- 「どんな自分になりたいか?」
- 「どんな生活を送りたいのか?」
- 「どんなキャリアを歩みたいのか?」
一方、自分のできること以上の非現実的な目標を掲げても、就職には結びつかないでしょう。
実現しそうな目標があると「前向きな姿勢」も、目標へ向かうため頑張れる「自己効力感」も生まれてきます。
それが就職へ向けた積極的な行動にもつながるでしょう。
何か難しい問題に直面しても、解決策を模索して問題解決に動くことができます。
就労移行支援を利用して就職できる人は、周囲とのコミュニケーションがスムーズ
就労移行支援を受けて就職できる人は、何でも一人で抱え込まず、周囲の人とスムーズにコミュニケーションを取り、協力を求めています。
サポートを受け入れる姿勢は、目標達成のための大きな力に。
そして、他者を尊重することも大切で、職場でのチームワークに大きく関わってきます。
目標達成のため、自分だけで全部できる人は、まずいません。
就労移行支援を利用して就職できる人は、業務スキルを習得している
もちろん、就職する会社の業務スキルを習得していることは必須です。
業務スキルの習得には、これまで説明した3つの項目が関わってきます。
- 理ができ個人の向き・不向きの特性と、自己管理ができている
- 目標に向けた、スキル習得に必要な自己効力感
- 周囲の協力を得て、よりレベルアップ!
そして、就労移行支援事業所での業務内容が、自分の個性や希望に合っているかどうかも大きいです。
合っていれば、より深く業務スキルを身につける事ができるでしょう。
就労移行支援を利用して就職できる人は、選考対策ができている選考対策ができている
就労移行支援をりようして就職するためには、会社側と面接を行う必要があります。
その面接のタイミングもありますし、面接時の態度や受け答えも重要です。
広くアンテナを張り、チャンスを逃さない。
選考対策は、就労支援事業所を利用して就職するための最後のカギです。
就職した後に大切なことは?
就労移行支援を利用して就職した人にとっても、常に新しい知識や業務スキルの勉強が必要になるでしょう。
「現状に満足せず、成長しようとする姿勢」
新しく目標を再設定し、リスキリングで自分をレベルアップすることで自己の成長や、安定した生活にもつながります。
就職で失敗しないための5つのポイント

ここからは、就職で失敗しないための5つのポイントをご紹介します。
原因を理解して解決できれば、就職がグッと近づきます!
就職で失敗しないための5つのポイントは以下のとおり!
- 希望する待遇や条件面を見直す
- ハローワーク以外の求人から探す
- 最低限のコミュニケーションは必要
- スタッフに履歴書の添削や面接の練習をお願いする
- 業務に必要なスキルは学んでおく
それぞれの詳細についても詳しく見てみましょう!
希望する待遇や条件面を見直す
就職で失敗しないためには、希望する待遇や条件面を見直す必要もあります。
業務の高いスキルに加えて過去の実績もあれば、希望する待遇や条件は得られやすいかもしれません。
しかし、ほとんどの場合は最初から好待遇・好条件は得られないものです。
しかし、自分が抱えているハンディキャップに関わる条件面は、就職後に安定して働けるか?という意味で、とても重要です。
- 障がい手帳やお薬手帳
- 通院する病院と、その必要性
- 病院の検査結果
キチンと伝えることで会社側もその対応を考えやすくなります。
また、会社との通勤の負担が大きいのならば、リモートワークが可能な業務なら会社側と交渉してみてはいかがでしょうか。
フレックスタイム制を敷いている会社であれば、通勤の際の混雑や渋滞による負担を減らせます。
ハローワーク以外の求人から探す
就職で失敗しないためにはハローワーク以外の求人から仕事先を探すのも効果的です!
就職しようとする場合、まず最初にハローワークへ足を運ぶ方は多いと思います。
そこで希望と合う会社が見つからなかった場合に、あきらめたり、『どういていいか分からない』と動けなくなってしまうことも。
就職の手段はハローワーク以外にもあります!
- 就労移行支援制度の延長
- 就労継続支援への移行
- 職業訓練の活用
- ハローワーク以外の就職媒体で探す
- 転職エージェントの利用
それぞれの方法を見てみましょう!
就労移行支援制度の延長
就労の意志がありながらも2年間で就職できなかった場合、延長の手続きをとることができます。
期間延長を事業所に申し出て、区市町村に申請、審理を経て認められれば、最長で1年間延長が可能です。
しかし、事業所側で延長を認めないという判断がなされた場合は、就労継続支援(A型・B型)への移行を打診されることも。
また、期間中に一度就職したものの、退職して、再就職のために再び制度を利用することも可能です。
就労継続支援(A型・B型)への移行
2年間の間で就職できなかった場合に、事業所側から就労継続支援(A型・B型)への移行を勧められることもあります。
就労継続支援にはA型とB型があり、共に福祉サービスを受けながら働くことができ、利用期間は定められておりません。
A型は18歳から65歳未満で雇用によって給与が発生します。
B型は年齢関係なく、雇用形態による就労が難しい場合に、利用者の事情に合った作業を行い、その工賃が支払われる形です。
就労継続支援(A型・B型)に関するさらに詳しい説明は↓↓リンク↓↓をご覧ください。

職業訓練の活用
さらに希望する業務のスキルを上げたい場合、ハローワークを通じて職業訓練を受ける手段もあります!
職業訓練を行うには、
- ハローワークで求職の申込みをしている
- 雇用保険の加入対象や雇用保険の受給資格がないこと
- 労働の意思と能力があること
その上で
- 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
の条件があります。
そして、金銭的に苦しいならば、【求職者支援制度】を利用して職業訓練を行うことも!
※【求職者支援制度】に関するさらに詳しい説明は厚生労働省のサイト↓↓リンク↓↓をご覧ください。
ハローワーク以外の就職媒体(メディア)で探す
ハローワーク以外にも、就職を斡旋しているサービスはございます。
まずは、各種求人メディアの公式サイトにアクセスしてください。
そこで条件などを入力して、自分に合いそうな企業を探すと良いでしょう。
また、企業側が募集している情報を得て、その企業に直接連絡できるケースも。
チャンスを逃さないためにも、履歴書などの準備はやっておくことをおすすめします。
転職エージェントを利用する
障がい者の就職に強い、または専門にしている転職エージェントを利用する方法も有効です。
より就職において専門性の強いエージェントと相談しながら、自分に希望に合った企業を探してくれます。
目標である安定した就労に向け、より具体的なアドバイスを得られれば、大きな助けとなるでしょう!
最低限のコミュニケーションは必要
就職する場合、他人と関わりたくないと思っても、業務をこなす上で最低限のコミュニケーションは必要です。
他人とのコミュニケーションが苦手という人は、まず挨拶をする時に相手の顔を見て行うことを意識してください。
休憩時間などのリラックスする時に、周りの人とお互いの趣味などを話してみることも効果アリ。
何か困ったことがあった時に相談を持ちかけたり、アドバイスも得られやすくなります。
それでも、どうしても相性が良くない人がいるかもしれません。
ある種の”割り切り”が必要になる場合もあります。
その時は、ていねいに仕事上の”報告”を行い、”問題解決”を意識して話をするなど、最低限のコミュニケーションをはかってください。
スタッフに履歴書の添削や面接の練習をお願いする
実際に就職する場合、まず最初に履歴書を送る必要がありますが、スタッフに履歴書の添削や面接の練習をお願いするのも手段としてはアリです!
もし分からない、難しいと感じる時は、スタッフの方に相談して書き方を習ったり、添削をお願いしてみましょう。
同じくスタッフさんに相談して、面接の練習も行うことも就職につながりやすくなります。
予行演習として事業所のスタッフさんに面接担当の役を頼み、数回面接のロールプレイを。
本番の緊張も抑えることができれば、自分の意気込みもより伝わるはずです。
企業側の印象も良くなるでしょう。
業務に必要なスキルは学んでおく
就職で失敗しないポイントとして、業務に必要なスキルは学んでおく必要もあります。
業務時間内は、与えられた業務に集中します。
それ以外では、それに関連することを勉強すると良いでしょう。
就労移行支援でも、分からいことや、悩んでいることを事業所のスタッフさんたちに質問してください。
また、そこで得た新たな知見や、ノウハウをメモを取るなどして残すと良いでしょう。
それが後で自分や周りの人たちの助けにも。
これも大切な【業務に必要なスキル】です。
現在ではネット上にも、業務や手続きのことを学べるコンテンツが数多くあります。
是非とも活用してください!
もしもリモートワークを希望されるのであれば、
- PCの基本的な操作
- ほとんどの業務に関わるワープロ、スプレッドシート【Word、Excelなど】
- コミュニケーションツール【Zoom、Teams、Slackなど】
などのスキルは必要になります。
さらに最近ではAIの技術が急激に進化してますから、こちらも上手く活用してみてはいかがでしょうか。
就労移行支援で就職しても長続きしないケース

就労移行支援を受けてせっかく就職しても、長続きしないケースがあります。
その場合、以下のようなことが考えられます。
- 求められる業務のレベルが高い
- 最初から自分に合わない仕事をしていた
- 就職先の雰囲気が合わない
- 待遇や条件が悪くなった
- 通勤の負担が大きい
その原因のほとんどが面接時や、その前後の確認不足です。
それぞれの詳細を見てみましょう。
求められる業務のレベルが高い
就労移行支援で就職しても長続きしないケースの一つに、求められる業務のレベルが高い場合があります。
希望する業務に就いたとしても、与えられた仕事が自分では対応できないなら、その会社で働き続けることはむずかしいです。
会社で用務によっては業務に関する勉強やリスキリングの機会を用意してくれる場合もございます。
まずはプライベートで関連する動画などで勉強したり、講座を受けるなどしてスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
一定の成果を出すためにも、まずは自分のレベルアップに挑戦してみましょう!
その会社で上手くいかなくとも、そこで得た経験は後で活きるはずです。
最初から自分に合わない仕事をしていた
就労移行支援で就職しても長続きしないケースとして、最初から自分に合わない仕事をしていた場合もあります。
『どんな仕事でもいいから早く就職したい!』
ということで、自分の希望や特性を無視すると起こりやすいケースです。
そこで働いてみて、

『以外にも自分に合っていた!』

『自分の望む業務じゃないけど楽しい!』
など、結果オーライなら良いのですが、そうでなければ長続きしないものです。
『面白くない』程度なら、まだ自分自身の成長や状況改善の余地があるかもしれません。
しかし、体力や精神面で『きつい・苦しい』と強く感じるようなら、すみやかに別の道を探った方が良いでしょう。
また、求められる業務のスキルが足りないのに、それを会社側へ過大に伝えたり、ウソの申告をしていたケースも。
その場合は、就労しながらスキルを習得するか、それができなければ会社を辞めて別の道を探ることになります。
今後にも支障をきたすことになるので、自分を正直に伝えることは大切です。
就職先の雰囲気が合わない
就労移行支援で就職しても長続きしないケースの一つに、就職先の雰囲気が合わない場合もあります。
就職してみたものの、パワハラや人の悪口ばかりの職場だと、すぐに辞めたくなるものです。
自分がそのイヤな雰囲気に染まってしまうことを危惧する場合もそうですね。
たとえばmこんな風に感じてしまうこともあるかも。

『自分自身のペースに合わない』

『疎外感を感じる』

『周りがうっとうしい
そんな状況を感じたら、まず会社内の上司や担当者に相談することをおすすめします。
それがむずかしいと感じたら、事業所のスタッフなど、就職後のアフターサービスを行ってくださる方に相談してください。
待遇や条件が悪くなった
就労移行支援で就職しても長続きしないケースとして、待遇や条件が悪くなったというケースも中にはあります。
希望する待遇や条件で就職したのに、その後さまざまな事情で悪化してしまうこともあります。
ただ、企業側が待遇や条件面に関して、最初からウソを会社側に言ったのなら問題外です。
会社が不誠実であるなど、『それでは続けられない』と感じたならば、すぐ会社を辞めることになるでしょう。
そのような遠まわりの事態を防ぐために、面接で会社の状況も確認することをおすすめします。
通勤の負担が大きい
就労移行支援で就職しても長続きしないケースとして、通勤の負担が大きい場合もあります。
【通勤の負担】というのは、主に金銭・体力・時間の負担の大きさがネックになって就職しても長続きしないケースです。
- 生活費を削るような金銭的負担
- 日常生活の時間を削るような時間的負担
- 移動に思いっきり体力が削られる体力的負担
通勤時間は勤務時間に含まれません。
会社の待遇や条件が良いと、無理をして頑張ろうとしがちです。
しかし、過度の頑張りは、いずれ消耗して限界が来ます。
特に、ご家族の面倒をみている人にとっては、影響が大きい問題です。
可能であればリモートワークに切り替えるなど、改善案を立ててみてはいかがでしょうか。
障害者雇用で企業が求める人材とは

障害者雇用で企業が求める人材とは?と疑問に思う人もいるでしょう。
障害者雇用においては、企業が【求める人材】というモデルがあります。
- 業務におけるマナーやスキルが身についてる人
- 最低限のコミュニケーションがとれる人
- 自分で考えて自分で動こうとする「自立」した人
障害者雇用でなくとも、社会人として一般的に求められる条件と、そう変わりません。
それらのレベルも高いほど、企業側も『ぜひウチに!』と求めることになるでしょう。
自分自身を理解して成長につながるよう行動すれば、安定した就労につながります。
そして【周囲の人の助けになる、成長をうながせるような人物を目指せる人】こそ、本当に企業が求める人材です。
障がい者だと、一般の健常者が持っていない視点がありますが、これは大きな武器です。
是非ともその武器を活かして未来をつかんでください。
就労移行支援を利用して就職できる人とできない人の特徴まとめ

「就労移行支援を利用して就職できる人とできない人の特徴」「就職するための5つのポイント」などをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
就労移行支援を利用しても就職できない人の特徴としては、待遇や条件が企業側と合わない、幅広い意味での業務スキルの不足、安定した通所実績が無いことなどです。
解決策としては、待遇や条件面の見直し、ハローワークに頼る以外の幅広い手段を探る、必要な準備を事業所のスタッフさんに協力してもらうことなど、周りの協力が必要になります。
ある程度の妥協は必要かもしれませんが、無理な待遇や条件のもとで就職しても、長続きしないことがほとんどです。
ひとりで悩まずに、周りの協力を得て安定した就職を!
その中で得たプロセスはきっと自分自身や周りの人の助けにもなるでしょう。
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